花粉症対策としてマスクやザイザルなどの薬を利用するのは聞いたことがあると思いますが、最近では注射での花粉症対策が注目されています。毎年苦しめられる花粉症を対策できる注射とは、一体どんなものなのでしょうか?

せきが出ている男性
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日本で花粉症が流行している理由

毎年春先になると花粉症が発症し、鼻水・鼻詰まり、くしゃみや思考力低下、肌のかゆみや炎症といった非常に様々な諸症状が現れるという方は非常に多いものです。
花粉症は最早国民病とも呼ばれており、日本国民の3割近くの方が何らかの花粉症を発症しています。

花粉症が流行する主原因にはスギ花粉があります。
スギ花粉は日本特有のものと言われており、諸外国ではあまり見られません。
スギは3~5月頃に多くの花粉を飛ばし始めるため、毎年花粉に悩まされている方は早めに対策をとって出来るだけ予防を心掛けることが大切です。

では何故日本では毎年スギ花粉症が流行するのでしょう。
その理由の一つとして、第二次世界大戦後の大規模な植林が挙げられます。
復興のためには建築資材として公益性の高い多くの木材が必要とされており、特に成長が早く、建築資材としても優れているスギやヒノキは積極的に植えられていきました。
スギ花粉が流行し始めたのは1960年代頃とされています。
第二次世界大戦後に植林されたスギが成長し、花粉を飛ばし始めたことによって、国内の花粉症発症患者数が爆発的に増えてきたのです。

またもう一つの理由として、高度経済成長期を迎えた後、徐々に国内の林業が衰退していったことが挙げられます。
外国の安い木材に押され、国内のスギが売れなくなってきたのです。
伐採や間伐にもコストがかかるため放置され、まさに現在花粉症という大きな問題が起きています。
スギ花粉症はまさに高度経済成長の負の遺産と言えるでしょう。

現在では国土の約1割がスギの植林地とされています。
特に植林が多く行われていた関東や甲信越地方では花粉の飛散量も多く、諸症状に悩まされている患者数も年々増加傾向にあります。
それまで土や草などで覆われていた地表がアスファルト塗装やコンクリート構造に変わっていったことにより、花粉が吸収・分解されず、空中に舞い上がりやすくなっていることも原因の一つと言われています。

2050年には花粉症患者は倍以上に増える!?

高度経済成長の負の遺産とも言われているスギ花粉ですが、現在の生育状況から計算すると2050年には1.8倍になると言われています。
当然同様に花粉症で悩まされる方の割合も増加すると見越されています。

林野庁では、現在もスギの植林を続けており2013年にはおよそ1600万本のスギが植えられました。
最近では品種改良によって花粉の飛散量が少ないスギも開発されていますが、2013年に植えられたものの内、たったの12%程度でした。

スギは二酸化炭素の吸収率が非常に優れており、公益性の面でもなかなか減らしていくのが難しいというのも理由の一つです。
地球温暖化の影響を考えると、二酸化炭素の量を減らしていくことも国にとっては重要課題であるため、なかなかゼロにすることは難しいと言えるでしょう。

スギの伐採や間伐にもコストがかかるため、ただでさえ厳しい状況にある林業事業者の多くがスギの植え替えに消極的になっているのも原因の一つです。
更に、多くの植林地が個人所有物であるため、強制的に伐採を行うことが難しいという点も問題の一つと言えるでしょう。

ただし、現在では花粉症は国にとっても大きな損害であることが取り上げられるようになってきました。
植林に必要な費用を一部国が負担することにより、林業事業者を支援することも始まってきています。
2017年までには花粉の少ない苗木をおよそ1000万本にすることを目標と掲げており、林業事業者への啓発活動もスタートしています。

スギの花粉は2050年までは増えてきますが、それをピークに、その後は徐々に減少すると見込まれています。
2100年にはスギがなくなっていくため、スギ花粉がなくなるとも言われています。